島崎藤村の長編小説。1906(明治39)年3月『緑陰叢書第壱篇』として自費出版したもの。島崎藤村が詩人から小説家に転向してからの第一作であり、日本自然主義文学のさきがけとなった。

島崎藤村「破戒」冒頭 朗読をきく

あらすじ

被差別部落に生まれた信州の小学校教師瀬川丑松(主人公)が、「社会で生きていくためには身分を明かしてはならない」という父の戒めと、自分と同じく穢多の生まれでありながら解放運動に身を投じる猪子蓮太郎の体現する正義との間でゆれながら、ついに蓮太郎の死をきっかけにその身分を生徒たちの前で告白し、新天地テキサスに旅立っていく。

「破戒」冒頭 朗読をきく

「破戒」の冒頭部分です。主人公の小学校教師、瀬川丑松が新しい宿に引っ越してくる場面から物語は始まります。丑松が引越しを思い立ったのは前の下宿で不愉快な出来事があったためでした。

「破戒」第九章(一部) 朗読をきく

「破戒」第九章より。丑松は父の死の知らせを聞き、帰省します。久しぶりに郷里を歩いた丑松は、幼馴染の少女・妻子のことを思い出します。

妻子は丑松のお隣さんで、よく林檎畠の中で遊んだのでした。

この林檎畠と幼馴染のイメージは藤村の原体験に基づいたもので、「初恋」の詩でも歌われています。

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