また落ちかゝる白雨(ゆふだち)の 若葉青葉を過ぎてのち 緑の野辺に蝶は来て 名もなき草の花ざかり
めぐりめぐりて薮かげを ぬつと出づれば夏の日や 白き光に照らされて すがたをつゝむ頬冠り
離れ離れの雲の行く 天の心は知らねども 蛙(かはず)のうたふ声きけば 今はよろづの恋の時
かよひなれたる白百合の 畠を荒す田鼠(むぐらもち) 小高き土をふみしめて 花さくなかを逢ひに行く
【むぐらもち】は【土竜】とも。モグラのことです。