ちょっと変わった三角関係のお話です。
一つの花に蝶と蜘蛛
小蜘蛛は花を守り顔
小蝶は花に酔ひ顔に
舞へども舞へどもすべぞなき
花は小蜘蛛のためならば
小蝶の舞をいかにせむ
花は小蝶のためならば
小蜘蛛の糸をいかにせむ
やがて一つの花散りて
小蜘蛛はそこに眠れども
羽翼(つばさ)も軽き小蝶こそ
いづこともなくうせにけれ
「花」に言い寄る「小蜘蛛」と「蝶」。その三者の三角関係です。「花」が女性で、「小蜘蛛」「蝶」が男性でしょう。
小蜘蛛が花を守っていて、小蝶は容易にちかづくことができないのです。しかし、小蜘蛛の「糸」は同時に花を束縛する。自由を奪うものでもあるのです。
結局蜘蛛は花と共に滅び、蝶は次の恋、出会いを求めてヒラヒラ飛んでいくのです。
「小蜘蛛」=堅苦しくて頭ガチガチ。「小蝶」=さわやかで、恋に破れても「さ、次いってみようか」て感じでしょうか。
|島崎藤村 朗読|