こういうことも七五調で表現できるってことに、感心しました。
星近く戸を照せども
戸に枕して人知らず
鼠古巣を出づれども
人夢さめず驚かず
情の海の淡路島
通ふ千鳥の声絶えて
やじりを穿つ盗人の
寝息をはかる影もなし
長き尻尾をうちふりつ
小躍りしつゝ軒づたひ
煤のみ深き梁(うつばり)に
夜をうかがふ古鼠
光にいとひいとはれて
白歯もいとど冷やかに
竈(かまど)の隅に忍びより
ながしに捜(さぐ)る鰺の骨
闇夜に物を透かし視て
暗きに遊ぶさまながら
なほ声無きに疑ひて
影を懼(おそ)れてきゝと鳴き鳴く
与謝蕪村の「牙寒き梁(うつばり)の月の鼠かな」から着想を得た詩です。
俳句をベースとしてるだけあって侘しい中にもどこか可愛いさが漂ってます。「ながしにさぐる鰺の骨」が好きです。いかめしい文語体のわりに
語ってる内容がビンボウくさいので。
「情の海の淡路島」は「情」が「淡い」という縁語で、「通う千鳥」にかかります。
今の兵庫の須磨には昔関所があったのです。そこで寝ずの番をしている関守の話ですね。夜な夜な淡路島から通う千鳥がちいちいと啼く。その侘しい声に一晩に何度も目を覚まされたと。
須磨といえば「平家物語」の平敦盛の話や、光源氏が配流された地としても有名ですね。
千鳥つながりで高村光太郎の「千鳥と遊ぶ智恵子」もお聴きください。こっちはとても絶望的な詩ですが。
今回は録音にSonyのHi-MDを使いました。Hi-MDとはMDのデラックス版?みたいなやつですか。
マイク→マイクプリアンプ→コンプレッサー→Hi-MDという接続です。
Hi-MDの音質はとてもいいのですが、付属のSonic Stageというソフトが使いにくすぎ、何を考えて作ったか、プログラマーの知能を疑いたくなるくらいヒドイです。そして重い。
Hi-MDはオススメできません。